いよいよ第一四半期決算スタート!
航空株は今後に期待!?

2022年1月〜3月はエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱によるインフレの加速、ロシアによるウクライナ侵攻、米国連邦準備制度理事会(FRB)の利上げなど、さまざまなイベントがありました。

企業にとっては、逆風とも言えるこの環境下で生き残れるかどうかは、まさにこの決算発表を注視していく必要があると考えます。

また、海外先進国ではコロナの規制も徐々に解除され、インフレもピークアウトしてきたのでは?という見方も一部ある中、次の第二四半期決算に向けたガイダンス(見通し)が非常に気になるところです。

米国の決算シーズンは3ヶ月ごと、第一四半期から第四四半期までの年間合計4回の発表があります。

米国の決算シーズンは主に銀行株から決算発表が始まり、続いてGAFAMの決算、その後は中小型株の決算というような、大まかな流れがあります。

特に指数に大きな影響を与えるGAFAMの決算発表は、毎期注視していく必要があります。

それでは、今週行われた主な企業の決算のうち、「デルタ航空」の決算を振り返りたいと思います。

デルタ航空 第一四半期決算

4月13日(水)寄付き前に発表された決算では、1月〜3月期では赤字であったものの、3月単月では黒字に転換したという、非常にポジティブな結果でした。

売上高は予想89.2億ドルに対して、結果93.5億ドルとなり、前年同期比125%の成長となりました。2019年同期比では、マイナス11%の水準です。

 

売上高の推移

売上高については、コロナ禍以降、堅調に回復しています。前期比で売上高が減少してることは、少し気になりますが、オミクロン株による渡航制限、燃料価格高騰による利益の圧迫によるものと考えられます。

しかしながら、オミクロン株の衰退に伴う需要の大幅な回復がみられ、3月単月では黒字に転換したというコメントは、非常にポジティブです。

また、今後はさらにオフィスが再開され、出張規制が解除された結果、出張需要も改善し、価格決定に関係する運賃環境が強化されていくという見通しも述べられています。

そして、発表された第二四半期の売上高ガイダンスは非常に好感の持てるものでした。

第二四半期の売上高の予想115.4億ドルに対し、会社発表のガイダンスは116.3億ドルから128.9億ドルとなりました。

会社発表の売上高ガイダンスの中央値を含んだ、売上高の推移となります。

新型コロナウイルス感染症が蔓延する前の、2019年第四四半期(10月~12月)の売上高は114.4億ドル、2019年第三四半期(7月~9月)の売上高は125.5億ドルでした。

次の2022年第二四半期は、完全にコロナ禍前の水準に回復すると言えるでしょう。

EPSの推移

EPSとは「Earnings Per Share」の略で、「1株当たりの利益」という意味です。

EPSは、当期純利益を発行済み株式総数で割って計算します。

その会社が売上だけではなく、どれだけ「利益」が増えているかという点で、非常に重要な指標となります。

特にCAN-SLIM投資法では、EPSを前年同期と比較した「EPS成長率」が重要視されます。

最初の概要でも触れたとおり、今期(1月~3月)は赤字となっています。

原因はオミクロン株による渡航制限、燃料価格高騰による利益の圧迫などが言われていますが、前者については会社も明るい見通しを述べているため、そこまで心配はないと考えます。

問題は燃料価格高騰による利益の圧迫です。

原油価格はロシアのウクライナ侵攻を受け、3月に急騰しました。原油先物WTIは一時、130ドル台の高値をつけました。

4月に入り、その価格はピークアウトしたものの、4月15日現在も106ドルの高い水準にあります。

出所:investing.com

2017年から2020年の新型コロナウイルス感染症が蔓延するまでの間における原油先物WTIは、おおよそ40ドルから80ドルのレンジ内を推移していましたので、燃料コストによる利益の圧迫は非常に大きいということが分かります。

会社コメントでは、今後、出張需要の回復に伴い運賃を強化できると述べていますので、価格コストもある程度は相殺できるのではと考えますが、原油価格の動向次第であるため、注視が必要です。

デルタ航空の株価

finviz dynamic chart for  DAL

出所:finviz

決算発表後の株価は6.21%の上昇、翌営業日も3.27%の上昇と、出来高を伴った非常に強い動きを見せています。

抵抗線となっていた、200日移動平均線も上抜け、2021年3月に記録した、コロナ禍以降の最高値である52.28ドルへ向けて、株価の上昇を期待したいところです。

また、デルタ航空の非常にポジティブな見通しを受けて、その他の旅行・レジャー関連銘柄の株価も上昇しています。

今週1週間の上昇率でみていきます。

航空銘柄
  • サウスウエスト航空(ティッカー:LUV) +13.3%
  • アメリカン航空(ティッカー:AAL) +14.5%
  • ユナイテッド航空(ティッカー:UAL) +7.55%
クルーズ銘柄
  • カーニバル(ティッカー:CCL) +6.65% 
  • ノーレジアンクルーズ(ティッカー:NCLH) +8.53%
  • ロイヤルカリビアンクルーズ(ティッカー:RCL) +6.06%
ホテル銘柄
  • マリオット(ティッカー:MAR) +10.1%
  • ハイアットホテル(ティッカー:H) +10.6%
  • ヒルトン(ティッカー:HTL) +6.94%
旅行関連銘柄
  • エアビー・アンド・ビー(ティッカー:ABNB) +5.01%
  • ブッキングホールディングス(ティッカー:BKNG) +2.76%
  • エクスペディア(ティッカー:EXPE) +6.54%

今後も上記企業の決算発表が随時ありますので、注目していきたいと思います。

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