40年ぶりの高水準に
3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で1981年終盤以来の大幅な伸びを示しました。
生活費がかなり高くなっていることを浮き彫りにするとともに、一段と積極的な利上げを米金融当局に求める圧力が強まったとも言えます。
3月消費者物価指数(CPI)の結果
◆CPI
前年同期比では予想8.4%に対して結果は8.5%の上昇で市場予想を上回りました。前回2月の結果は7.9%でした。
また前月比では、予想1.2%に対して結果1.2%でした。前回2月の結果は0.8%です。
特にエネルギー価格は前月比11%の上昇となり、CPIを押し上げる主要因となっています。
また食品価格は前月比1%の上昇となりました。
3月の物価上昇はロシアのウクライナ侵攻を受けて、やや加速しています。
◆CPIコア
変動の大きい食品とエネルギーを除くCPIコアは予想6.6%に対して、結果 6.5%と市場予想を下回りました。前月の結果は6.4%です。
また前月比は0.3%上昇で、こちらも市場予想を下回りました。
中古車価格は前月比で3.8%のマイナスとなり、2か月連続で低下しました。
しかし、新車の価格は小幅に上昇しています。
特に上昇幅が大きかったのは航空運賃とサービスコストです。
航空運賃は前月比10.7%の上昇、サービスコストは前年同期比で5.1%の上昇と1991年依頼の高い伸びとなりました。
インフレのピークアウトは?
今回の米消費者物価指数(CPI)の発表を受け、一部ニュースやTwitterなどでは、インフレがピークアウトしたのでは?という記事を見かけます。その理由は次の表をご覧ください。
前月比のCPI及びCPIコアを確認してみます。
エネルギ―価格を含むCPIは12月から上昇しています。
しかし、価格変動の大きい食品とエネルギーを除くCPIコアは1月から3月にかけて、上昇率が下がってきています。
これにより、価格上昇は続いているものの、その上昇のスピードは緩やかになってきているため、そろそろインフレもピークアウトするのでは?という見方もあるようです。
株式市場の反応
3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を受け、米国市場の寄付きは株高で反応しました。
しかし、その後は原油価格の上昇や、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事のタカ派発言もあり、株安の展開へ。
終わってみれば、完全に「寄り天」の1日でした。
今後の展開
今後も、ウクライナ情勢や金融政策など、様々な要因により、株式市場はボラティリティの高い相場となりそうです。
しかし、今週から第一四半期の本格的な決算シーズンが始まります。
業績が向上しないことには、株高の展開は望めないことから、しばらくは各企業の決算発表にも注目です。