筆者はウイリアム・J・オニールが提唱するCAN-SLIM投資法を実践しています。
今回は私が米国株投資を始めたきっかけ、過去の大失敗、そして今の投資スタイルに至るまでのお話を自戒の意味を込めて、ご紹介します。
米国株投資を始めたきっかけ
米国株投資を始めたのはちょうどコロナショックが起きた時です。
元々、投資信託の売買を数年前から行っていましたが、思い切って個別株へチャレンジすることに。
そのきっかけとなったのが、かの有名な広瀬隆雄氏(通称じっちゃま)のYouTubeを見始めたことでした。
私が始めに定めた投資のルールは以下のようなものでした。
- 決算の良い銘柄を買う
- 成長力の高い銘柄を選ぶ
- 決算が良い限り持ち続ける
と言っても、じっちゃまの紹介銘柄やTwitterで流れてくる銘柄を中心に選別して、売買していました。
またこの2020年から2021年にかけては注目のIPO企業も多く、成長力を期待して多くの銘柄を売買していました。
MRNA(モデルナ)、BNTX(バイオンテック)、TSLA(テスラ)、U(ユニティ)、AFRM(アファーム)、AI(シースリーエーアイ)、NCNO(エヌシーノ)、ZI(ズームインフォ)、RPRX(ロイヤリティーファーマ)などです。
皆さんも聞き覚えのある企業ばかりだと思います。
決算が良い限り持ち続けようと考えていましたが、良い決算を確認しても、株価が下がってしまう事がありました。
また、せっかく含み益が増えてきても、その利益を取り逃すことも多くありました。
今考えると、私の投資ルールには決定的な事が欠如していました。
それは『売りルール』が無かったことです。
S&P500指数のように、良い銘柄は長期で右肩上がりに上がっていく!
と妄想を抱いてた私は、利益を確保するための売りルール、損を増やさないための売りルールを考えずに、雰囲気トレードを行っていました。
大失敗のトレード
2020年の主導株の1つにZM(ズームビデオ)がありました。
しかし、この銘柄を買えずに指を咥えて見ているのが悔しくて、ついに2020年10月29日に購入します。
この時の買値は$523で、ZMの最高値が10月19日$588でしたので、今振り返るとほぼ最高値圏での購入でした。
その後もS&P500やNASDAQは右肩上がりで上昇していきますが、一方でZMは軟調な動きとなります。
2021年1月にかけて、特に決算ミスもなかったため、『安く買える!』と喜んでナンピンしていきました。
そして、転機が訪れます。
2021年3月1日引け後の決算発表を受け、翌3月2日のプレマーケットからZMはプラス7%と大きく上昇していました。
ここから、また株価を大きく伸ばしていく!と信じ込んでいた筆者は寄り付きの$438でさらに買い増します。
すると、その日は寄付きを起点に、株価は大きく下落し前日より安値で引けてしまいました。
ナンピン地獄
その後も株価は右肩下がりで、2021年5月には$200台へ到達します。
それでも、取得平均単価を下げるため、ナンピンを続けていました。
そして、株価も2021年8月にかけて、$400台まで回復してきた後に、衝撃の展開が。
2021年8月30日に発表した決算で、初めての決算ミス。ガイダンスがコンセンサス予想を下回る事態になりました。
これまで、コンセンサス予想を1度も下回ることのなかったZMですが、とうとうこの時が来てしまいました。
翌日の株価はマイナス17%の下落となりました。
流石に心が折れました。
ZMと別れを決心しました。
株価は$290でした。
都合の良い理由探し
この大失敗により、2020年はから蓄えてきた利益の大半を失ってしまいました。
ZMを保有した約10ヶ月間を振り返ると、常に次のような感情がありました。
- この銘柄はいつか上昇するはず
- だから株価が下がっても大丈夫
全く根拠のない、自分にとって都合の良い理由ばかり考えていました。
その他に保有していた銘柄についても、同じような考えがあり、上手くいったトレードは全て再現性に乏しいものでした。
特に、損を増やさないことへの備え=売りルールが全く無かったことを悔やみました。
オニール流に目覚める
実はウイリアム・J・オニールの著書『オニールの成長株発掘法』は、2021年2月頃に、投資の勉強をしたいと考えて、購入していました。
しかし、文量の多さに圧倒され、半分も読みきれず、また内容もほとんど忘れていました。
今回の大失敗をきっかけに、本棚にしまってあった本を引っ張り出して、改めて読み直しました。
そこには、CAN-SLIMという手法だけでなく、投資に対する心構えや陥りやすい失敗事例についても明記されており、私の投資はまさに失敗事例と合致していました。
そこで、初心に戻り、自分の乏しい経験でルールを決めるのではなく、成功者=オニールに学びながら投資を行うことを決心しました。
オニール流投資のメリット
オニール流投資=CAN-SLIMのコンセプトは次のようなものでした。
- 資産を守ることが最優先
- 感情的にならず、機械的にトレードできる
- 買いにも売りにも明確なルールがある
- 市場の方向性に合わせた売買ができる
- 過去の大化け銘柄に共通した特徴を知ることができる
デメリットを挙げるとするならば、
- 本が分厚すぎる
- ルールが多すぎる
ということで、初心者には少しとっつき難いことです。
筆者もまだまだ勉強不足ではありますが、損を最小限に抑え、利益を守るトレードを、少しずつ実践することができています。
これからの投資戦略
現在、米国市場は非常に難しい相場であると言われています。
- 歴史的なインフレ
- 政策金利引き上げ
- 量的引き締め(QT)の実施
- ロシアのウクライナ侵攻
- 中国の景気後退懸念
- 米国の景気後退懸念
トピックスをあげたらキリがありませんが、ニュースが出るたびに、相場が一喜一憂しています。
そんな時だからこそ、
- 感情的なトレードをしないこと
- ルールを決めて売買すること
を心がけて、CAN-SLIM投資を実践していきたいと思います。
そして、いつか大化け銘柄を見つけるべく、そんな憧れを抱きながら、投資を楽しんでいきます。